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【感想】「ゴーン・ガール」を見たよ!(ネタバレあり)

正直、名画座BOT&今日の名画座の管理人としては、感想を書くのが気が引ける。なぜなら、映画のウェブサービスを作っているくせに大して映画を見ていないからだ。しかし、名画座がどんどん潰れていく昨今、ついに新作封切館の新宿ミラノ座まで潰れてしまう(クロージング上映が凄いことになってるよ!みんな行こう)。

そんななか、「あの映画おもしろかったよ」とネットに書き散らすことが一番の宣伝になるんじゃないかと思い、書いてみることにする。ファミレスでだべってるのを書き起こしたような文章なので、ご笑覧というやつでお願いします。

デヴィッド・フィンチャー監督の「ゴーン・ガール」を見ました。以下、ネタバレ込みの感想を書くので、困る方は読み飛ばしていただきたくおもいます。またフィンチャー映画のことも書くので、そのネタバレを読みたくない方も。

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総合的には「フィンチャーさんはいつも期待を裏切らない。(物語上は裏切られまくる)」。私は推理モノミステリーは割と苦手というか、「犯人がだれでもいいじゃん」と思ってしまうのだが、後半部からガラリと映画のジャンルが変わる辺りが見もので、そのストーリーテリングの巧みさに舌を巻いた。特に中盤部から夫婦間戦争、後半部からフィンチャーお得意のサイコパスモノに変わり、演出が冴える冴える。(ブライアン・デ・パルマが撮っていたらよりアンニュイでセクシーなファム・ファタールモノになっただろう。)エイミーがデジーをぶっ殺す時など、音楽(トレント・レズナー&アッティカス・ロス)も重苦しい不協和音も相まってボディーブローのように感情を打つ。

この映画を見たあと、ベン・アフレックってなんていい奴なんだ、と思った人も多いのではないか。

「エイミーに殺されるかもしれない。でも子供が生まれた以上責任があるだろ!」

この台詞であたかもベン・アフレックがいいやつかのような錯覚に陥る。ベン公はテイラーを演じているわけだが、演じ方もしゃべり方も浮気しちゃうところもメディアに叩かれるところも奥さんを怖がっているところも全部キャラに合っている気がする。ベン公がマジでやっているかのよう。

そして奥さんのエイミーはロザムンド・パイクだが、先述したようにストーリーに従って映画のジャンルが変わるにつれ、見事に演じ分けている。対照的。(全然関係ないけどロザムンド・パイクを初めて見たのは「007 ダイ・アナザー・デイ」で当時から可愛いな、と思ってました。)

話のラストは結局ソシオパス/サイコパスな妻と子供を育てる決意をするが、その先は必ずしも明るいものではないだろう。

さて、ネットのレビューを見るとこの映画は「大どんでん返し」の映画ということで、そこが賛否両論のようだが、やはり違うだろうと思う。先述したように「映画の途中でジャンルが変わる」のであり、そのストーリーテリングの巧さとテーマの一貫性だと思う。テーマとは勿論「結婚」だ。私は独身なので結婚は未踏の地だが、奇しくもベン公が言ったように奥さんに殺されるかもしれないけど、離婚したら子供が奥さんに殺されるかもしれない。だからあの物悲しいエンディングが良いわけで、これこそが最初からジャンルが変わっても通底したテーマだと思う。

ジャンルがジェットコースターのように変わってもテーマが一貫している映画で思い出すのが「チェンジリング」だ。ワーキングマザーモノ、女囚モノ(精神病院)、法廷モノ、サイコ・スリラーモノ、などジャンルを横断するストーリーテリングの技術とともにテーマが変わらず訴えるものがある。

フィンチャーとソシオバスたち

フィンチャーの映画にはエイミーのようなソシオパス/サイコパスがよく登場する。

ただ「ドラゴン・タトゥーの女」でも後半部にリスベットがミカエルに淡い恋心を抱くようになったように精神病質の主人公にも人間味を持たせている。「ソーシャル・ネットワーク」でもそうだ。サイコパスまではいかないソシオバスたちが人間らしく描かれている。

フィンチャーと愛すべきソシオバスたち

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なんていうコラージュを作ってみた。

フィンチャーの映画にはだいたいサイコパス/ソシオバスたちが、脇役で登場したり、主役で登場したり、悪役で登場したり、男性で登場したり、女性で登場したり、その都度変えている。

そうでない場合は「パニックルーム」や「ゲーム」のように主人公が精神的に追い詰められていく。

SE7ENの頃のフィンチャーのサイコパスの描き方からすると、ずいぶん円熟味を帯びて、優しい眼差しすら感じられる。

個人的にはパニック障害を患ったこともあるので、精神病っぽいものに惹かれるのかもしれない。友人に「パニック・ルーム」がおもしろかった!と言ったら否定されたが、パニック障害としては閉所に閉じ込められて「ヴァー---ー!!!!!」と叫ぶジョディ・フォスターを涙なしではみらないw

というわけで、このへんで。興味をもった人は是非新作映画館でも名画座でも!

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